堂安律 ~類稀なる左足で世界を震撼させ続ける千両役者~

日本代表選手

2025夏、ドイツの強豪フランクフルトへの加入が決定し、開幕数節で早くも存在感を遺憾なく発揮している堂安律選手。

今後の彼の活躍を見逃さないために今一度彼の過去と現在について振り返っておきましょう!

経歴

○2015–2017:ガンバ大阪(J1)

 ・J1リーグ通算15試合3得点。2015年にトップ昇格、17歳でデビュー。2016年ACLでプロ初得点。

○2017–2019:FCフローニンゲン(オランダ・エールディヴィジ)

 ・2017年夏に期限付き移籍、のちに完全移籍。リーグ戦62試合14得点。2017-18シーズンに9得点を記録し注目を集める。

○2019–2022:PSVアイントホーフェン(オランダ・エールディヴィジ)

 ・リーグ戦43試合10得点(全公式戦55試合11得点)

 ・2020–2021シーズンはビーレフェルト(ブンデスリーガ)へレンタル移籍、リーグ戦34試合5得点で残留に貢献。

○2022–2025:SCフライブルク(ブンデスリーガ)

・2022年夏に完全移籍加入

・2022-23シーズン:リーグ戦25試合5得点

・2023-24シーズン:リーグ戦29試合2得点

・2024-25シーズン:リーグ戦32試合3得点

世界を震わせた千両役者 ドイツとスペインを沈めた一撃

堂安選手の強気なメンタリティは、まさに2022年、カタールで行われたワールドカップで証明されました。

初戦のドイツ戦では途中出場から豪快な同点弾を叩き込み、日本を勢いづけました。さらにグループ最終戦のスペイン戦でも、狭い角度から力強いシュートを突き刺し逆転劇を演出。いずれも世界王者相手にゴールを奪うという大舞台での勝負強さを見せました。

本人は「俺がやる」という強烈な覚悟を持ってピッチに立っていると公言しており、その言葉を結果で裏付けた瞬間でした。堂安は攻撃面だけでなく、守備でも献身的にプレスを仕掛け、チーム全体を鼓舞する存在感を発揮。メンタルの強さ、自信に裏打ちされたプレー、そして試合を決定づける勝負強さが世界に示された大会だったといえます。彼の言葉通り“世界のトップを目指せる”と証明した象徴的な舞台が、カタールW杯だったのです。

2022W杯ドイツ戦ハイライトはこちら↓(堂安選手のゴールは9:10~)

2022W杯スペイン戦ハイライトはこちら↓(堂安選手のゴールは3:57~)

強気のエースに宿る柔らかさ 堂安律が見せる“人間らしさ”

堂安選手はピッチ内外で存在感を放ちますが、私生活のエピソードも魅力的です。

代表合宿の移動バスでは音楽の“選曲担当”を任されましたが、ベテランと若手の好みが異なり、「違う」「変えて」と双方から要望が飛ぶため、まさに中間管理職のような役回りに苦笑したといいます。その中でスピッツの『チェリー』を流すと世代を超えて好評で、場の雰囲気を和ませる工夫をしていました。

また、堂安選手はファッションにも強いこだわりを持つ“ファッショニスタ”として知られ、チームメイトからも注目されています。日本代表DF板倉滉選手は「サングラス姿が印象的」「自分の好きなものを持っている」と語り、その個性を評価。冗談交じりに「最近は服選びに勢いがない」と茶化されるほど、話題の中心にいる存在です。こうしたエピソードからは、勝負師でありながら仲間に親しまれる堂安選手の人間味が伝わってきます。

この人間味が影響した出来事として、今年6月に堂安選手が挙げたアナウンサーの明松美玖さんとの挙式を紹介します。挙式には日本代表の仲間や明石家さんまさん、小栗旬さん夫妻ら豪華ゲストが集まり話題となりました。さらに同年8月には明松さんが改めて挙式を行い、ウェディングドレス姿とともに「大切な家族と心ゆくまで過ごす時間が宝物」とSNSで綴り、幸せな私生活を伝えています。

戦術の核にして勝負の切り札――堂安律

堂安選手は、移籍を続けてきた各監督のどの戦術にも柔軟に適応できることが最大の特徴といえます。ポジションは主に右サイドですが、単純にタッチライン際に張ってスピードで勝負するタイプではありません。むしろハーフスペースに入り込み、中盤との連係を深めながら攻撃のリズムを作ることを得意としています。これによりサイドバックのオーバーラップを促し、攻撃に幅と厚みを生み出しています。

攻撃面では左足の切れ味が最大の武器です。カットインからの強烈なシュートはもちろん、相手を引き付けてからスルーパスを通す技術もあり、チームにとっては「第二のストライカー」と「ラストパサー」の両方の顔を持っています。さらに、混雑したエリアでもボールを失わずに前を向けるターンやキープ力は、ビルドアップが停滞した場面で活路を開く存在となります。監督が堂安選手を戦術的に重宝するのは、このプレッシャー下での安定感にあります。

守備面でも献身性を欠きません。前線からのプレスでは相手の縦パスコースを切りながら追い込み、チーム全体の守備のスイッチ役となります。スプリント数が多く、90分間ハードワークを継続できる点も監督から信頼を得ている部分です。日本代表では攻撃的な役割を重視される一方、昨年まで所属していたフライブルクでは守備や戦術規律の徹底が求められるなど、与えられるタスクは異なります。それでも堂安選手はどちらの要求にも順応し、攻守両面で効率的に”効く”存在として起用され続けてきました。

その価値を最も的確に表現したのは、フライブルクのユリアン・シュスター監督だといえます。堂安選手の移籍が取り沙汰された際、監督は以下のように語りました。

“Das muss ich gar nicht mehr. Er weiß, was er in Freiburg hat. Er hat sich über all die Jahre hier sehr gut entwickelt, diese Steigerung konnte man von Jahr zu Jahr beobachten. Er hat mit Sicherheit vergangenes Jahr sein bestes Jahr gespielt. Es ist nachvollziehbar, dass er mit den Argumenten, die er verkörpert, Interesse auf sich zieht. Aber es gibt auch eventuell die Möglichkeit, dass er hierbleibt. Solange er hier ist, arbeitet er weiter, wie er es bisher getan hat.”

(引用元:https://www.sport1.de/news/fussball/bundesliga/2025/07/waren-wir-nicht-gut-genug-vorbereitet-freiburg-trainer-julian-schuster-exklusiv-bei-sport1)

【日本語要約】

「彼はここ数年で非常に成長し、昨年は間違いなく最高のシーズンだった。彼がここにいる限り、これまで通り働き続けるだろう」

これは単なる得点力への称賛ではなく、戦術内での安定したパフォーマンスへの信頼の表れです。監督にとって堂安選手は「チームの設計図に組み込む前提となる駒」であり、規律と創造性を両立できる稀有な選手だったといえます。

2025年夏、堂安選手は新たにアイントラハト・フランクフルトへ移籍しました。クラブ幹部は「彼の左足によって多くのチャンスを生み出すだろう(フランクフルト公式)」「近年ブンデスリーガで本物のクオリティを証明しており、我々が目標を達成する助けになる(ESPN.com)」と述べ、即戦力として迎え入れました。攻撃の中心としてチームを引っ張ることを期待されていることが分かります。また、就任間もないトップメラー監督も「彼はすぐに良いパフォーマンスを見せてすぐにフィットした」と練習試合後のインタビューで語り、結果を残した堂安選手の適応力を高く評価しました。

これらの言葉から見えてくるのは、堂安選手が単なる技巧派アタッカーではなく、「監督が戦術プランを描く際に安心して組み込める選手」であるということです。守備をサボらず、攻撃では一人で局面を変えられる。しかも新しい環境でも短期間で戦術を理解し、結果を出せる。まさに現代サッカーにおける“万能型アタッカー”といえるでしょう。

昨年度(23/24ブンデスリーグ)のスタッツはこちら↓

出場記録

項目数値
出場試合数2
先発出場2
1試合平均出場時間81分
総出場時間161分
チーム・オブ・ザ・ウィーク選出0

攻撃

項目数値
ゴール2
期待ゴール (xG)0.91
得点間隔(平均)81分
1試合平均ゴール1.0
シュート総数2.0
枠内シュート/試合1.0
ビッグチャンス逸失0
決定率50%
PKゴール0
PK成功率0%
FKゴール0
FK成功率0%
ボックス内得点1/3
ボックス外得点1/1
ヘディング得点0
左足得点2
右足得点0
獲得PK0

パス

項目数値
アシスト1
期待アシスト (xA)1.02
ボールタッチ45.0
ビッグチャンス創出2
キーパス2.0
正確なパス数21.5 (成功率86%)
自陣での正確なパス4.5 (82%)
敵陣での正確なパス18.0 (75%)
ロングパス(正確)1.0 (67%)
チップパス(正確)0.5 (100%)
クロス成功数1.0 (22%)

守備

項目数値
インターセプト1.5
タックル/試合1.0
高い位置でのボール奪取1.0
ボールリカバリー3.0
ドリブル突破を許す回数0.0
クリア0.0
シュートに直結するミス0
失点に直結するミス0
PK献上0

1試合平均

項目数値
ドリブル成功2.0 (成功率50%)
デュエル勝利数5.0 (53%)
地上戦勝率4.0 (57%)
空中戦勝率1.0 (40%)
ボールロスト12.0
ファウル数0.5
被ファウル数1.0
オフサイド0.0

(引用:https://www.sofascore.com/)

まとめ

ピッチに立った瞬間、堂安選手は世界のトップクラスにも通用しうるという夢を我々に見せてくれます。記憶に新しい2022年カタールW杯、彼は途中出場から世界王者ドイツの牙城を切り裂き、さらにスペイン戦でも逆転弾を叩き込むという衝撃を与えました。その姿は、ただのアタッカーではなく「運命を変える存在」そのものでした。彼の強気なメンタリティはや、攻守にわたる献身はピッチ上の仲間だけでなく日本中のファンを鼓舞します。ピッチ外では仲間に愛される親しみやすさと独自の美学を併せ持ち、若い世代から憧れの存在として注目を集めています。今後は欧州の激しい舞台でさらなる研鑽を積み、日本代表でも中心的な役割を担うことが期待されます。始まったばかりの堂安律の挑戦をこれからも応援し続けましょう!!!

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