知性と才能が織りなす“計算された成長曲線”
U-10から在籍していた川崎フロンターレの下部組織で才能を育んだ三笘薫は、いきなりプロ契約をせずに筑波大学へ進学し、学業とサッカーを両立させながら自らのプレースタイルを徹底的に磨き上げました。
実は大学進学の理由について「戦術理解を深めるために時間をかけたい」と語っており、この選択が今の知的なプレーにつながっていると言われています。
2020年に川崎でプロデビューすると、1年目から二桁得点に迫る活躍で一気にJリーグのトップ選手に。
2021年夏にブライトンへ完全移籍しましたが、まずはベルギーのロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズにレンタルされ、昇格組のクラブをいきなり優勝争いへ導くインパクトを残しました。
2022年からはブライトンに復帰し、プレミアリーグの舞台でも独特の間合いと加速で相手を次々と抜き去り、世界的な注目を集める存在に…
【豆知識】
筑波大学時代に「1対1の局面におけるドリブルの有効性について」についての学術論文を書いたことは既に有名なことなのでもう一つ豆知識を。
三笘選手の実兄は俳優の結木滉星さん。2023年の『ネプリーグ』で公に認められ話題となりました。幼少期は一緒にミニゴールでサッカーを楽しみ、三笘選手がサッカーを始めるきっかけも兄の影響だったそうです。
24-25シーズンまでのブライトン
それでは三笘薫選手が所属しているブライトンの今期に至るまでの流れについて触れていきます。
ブライトンの近年の特徴として、トニー・ブルーム体制のデータ駆動リクルートと、若手を磨いて価値を最大化する売買モデルが挙げられます。
ヒュルツェラー就任後は、後方からの丁寧なビルドアップに鋭いプレスと縦の速さが加わり、よりメリハリのあるスタイルへ。マクアリスターやカイセドの高額売却で得た資金を再投資し、カルロス・バレバら将来性ある選手に賭ける未来志向の“革新的クラブ”として、プレミアでの存在感をさらに強めています。
2024–25シーズン、ブライトンはプレミアリーグで8位フィニッシュ(61ポイント)という堅実な躍進を遂げました。戦術面では、後方から丁寧なビルドアップを維持しつつ、高い位置からのプレスと縦への推進力も加わり、攻守にメリハリのある実践的スタイルへと深化。三笘薫やジョアン・ペドロ、ダニー・ウェルベックらが得点を分担し、攻撃の多様性を強化。移籍市場でも、マクアリスターやカイセドといった主力の移籍益を活用し、カルロス・バレバやヤンキュバ・ミンテなど将来性ある若手へ戦略的に再投資しました。シーズン後半には1勝4分の低調な5月もあり、欧州出場には届かなかったものの、総じて“若さと改革性”両立したクラブとして存在感を確立しました。
今季、ヒュルツェラー体制で進化する三笘薫の戦術的役割
ヒュルツェラー監督は、デ・ゼルビから受け継いだポゼッションスタイルを基盤としつつ、より縦への速さと守備強度を加え、ブライトンを攻守にメリハリのあるチームへと進化させています。
その中で三笘薫選手は、左サイドの「出口」としてボールを引き出し、ドリブルによる推進力でチームのリズムを前に進める存在です。また、単に縦へ突破するだけでなく、状況に応じてハーフスペースへ絞り、数的優位を作り出すことで攻撃の多様性に貢献。守備面でも、前線からのプレスの一角として高い強度を発揮し、サイドバックとの連動で相手を封じ込めます。
さらに、昨季チェルシー戦で見せたような圧巻のゴールに代表されるように、個人技で試合を決められるカードとしての価値も際立っています。戦術的には「攻撃を決定づける切り札」として位置付けられ、ヒュルツェラーの目指す“攻守両面でダイナミックに戦うブライトン”において不可欠な存在となっています。
まとめ
現在、日本代表だけでなく世界最高峰のプレミアリーグのブライトンでも必要不可欠となっている三笘薫選手。彼の技術や価値はこれからも高騰していくことでしょう。これからも彼の活躍から目が離せません!!!