本日はブレーメンに正式加入が決まった菅原由勢について紹介していきます。
オランダ、プレミア、そしてブンデスへ――菅原由勢が歩む欧州挑戦の軌跡
菅原由勢(すがわら・ゆきなり、2000年6月28日生まれ、愛知県豊川市出身)は、日本代表の右サイドバックとして欧州で経験を積み重ねる選手です。名古屋グランパスのアカデミーで育ち、守備の安定感と運動量の豊富さで早くから注目されました。2018年に17歳でトップ昇格し、J1リーグでプロデビュー。当時クラブ史上最年少でプロ契約を結び、冷静な守備対応や積極的な攻撃参加で将来を嘱望されました。
2019年夏、オランダのAZアルクマールへ期限付き移籍すると、すぐに試合に出場し評価を高めました。翌年には完全移籍が決まり、右サイドバックの主力として定着します。AZではリーグ通算119試合に出場し10得点を記録。ヨーロッパリーグやカンファレンスリーグなど国際大会でも53試合に出場し、欧州舞台での経験を積みました。2022年1月には「エールディヴィジ月間最優秀若手選手」に選出され、2023年には3か月連続で「月間ベストイレブン」に選ばれるなど、リーグ屈指のサイドバックとして高い評価を受けました。
日本代表では、世代別代表での活躍を経て2020年10月のカメルーン戦でA代表デビューを果たしました。2022年カタールW杯では正式メンバー入りを果たし、出場機会こそありませんでしたが大舞台を経験しました。2023年9月のドイツ戦ではアシストを記録し、攻撃面での存在感を示しました。攻守両面での安定感と高い戦術理解力は、代表においても重要な役割を担っています。
2024年7月、菅原選手はプレミアリーグのサウサンプトンに完全移籍しました。移籍金は約600万ポンドと報じられ、契約は4年間でした。ラッセル・マーティン監督が「最も望んだ補強」と語るほどの期待を集め、開幕戦で早速デビュー。8月のブレントフォード戦では移籍後初ゴールも挙げ、プレミアリーグでも十分に通用する力を示しました。リーグ戦30試合に出場し、上下動の豊富さと冷静なビルドアップ参加で評価されました。
しかし、クラブはシーズンを通じて苦戦し、最終的に降格の憂き目にあいました。チーム状況は厳しかったものの、菅原選手個人の評価は揺らぐことなく、シーズン終了後には去就が注目されました。複数クラブが関心を示す中、ブンデスリーガのヴェルダー・ブレーメンが獲得に動き、2025年夏に正式移籍が決定しました。ドイツは身体的強度が高く、守備者によりハードなプレーが求められる環境ですが、AZとプレミアリーグで培った経験を持つ菅原選手には順応できる素地が備わっています。伝統あるクラブで右サイドバックの即戦力として期待され、ブレーメンの新シーズンにおいて重要な役割を担うことが見込まれています。
菅原由勢選手は、名古屋での最年少デビューからオランダでの飛躍、代表での定着、そしてプレミアリーグを経てブンデスリーガへと、一貫してステップアップを続けてきました。20代半ばにして日本、オランダ、イングランド、ドイツの主要リーグを経験し、国際大会の舞台でも実績を積んできた点は日本人選手としても希少です。今後はブレーメンでの挑戦と日本代表でのさらなる主力定着が期待され、日本サッカーの未来を支える存在として大きな注目を集め続けるでしょう。
〜明るさと気配り〜菅原由勢選手の性格について
AZ公式YouTubeの特集「Mijn tweede land(第二の祖国)」で、オランダを心からの愛着を込めてそう呼びました。10代で異国に飛び込み、言葉も文化もゼロから学びながら、彼は仲間と自然に溶け合い、クラブの信頼を勝ち取ってきました。映像の中で見せる明るい表情と率直な言葉には、挑戦を楽しみながら前に進む強さと、人とのつながりを大切にする誠実さがにじみ出ています。単なる移籍先ではなく、自らを育ててくれた「もう一つの故郷」と感じられる場所に成長したAZ。菅原の人柄と順応力を最も雄弁に物語るエピソードです。
また明るいというだけでなく、菅原由勢選手の魅力は、プレーだけでなく細やかな気配りにも表れます。日本代表合宿でスリッパが残されていた際も、最後までいた菅原由勢は「誰のだろう?」と仲間にそっと確認。しかし持ち主は現れず、結局LINEで三笘薫に聞くと、本人から「ごめん、それ俺の」と返信が届いたという。持ち主が三笘薫選手だとわかると、それを笑い話に変えて場を和ませたのです。忘れ物というネガティブな出来事をその空気を壊さず自然に支える姿勢に、彼の誠実さと優しさがにじみます。こうした振る舞いこそ、仲間から厚い信頼を集める理由だといえます。
縦も内も制す――菅原由勢が描く進化形SB
菅原由勢は179cm・69kgの右サイドバックを本職とする日本代表DFで、攻守両面におけるバランスの良さと高い戦術理解度が評価されてきました。2024-25シーズンはサウサンプトンでプレーしたのち、2025年夏にブレーメンへの期限付き移籍が決定的と報じられており、舞台をブンデスリーガへ移そうとしています。
攻撃面では、豊富な運動量を生かしてオーバーラップとアンダーラップを使い分け、縦への推進力と高精度のクロスでチャンスを創出します。AZ時代には右ウイングとしても起用され、ポゼッション時に内側へ絞り、中盤で数的優位をつくる動きも披露しました。2023-24シーズンのエールディビジでは90分あたり1.86本のチャンスを作り出し、シーズン合計で53回もの決定機演出(ビッグチャンス16回)を記録。数値からも攻撃参加の質と量の高さが裏付けられています。
守備においては、一対一の粘り強さとスピードを活かしたリカバリーが光ります。相手の縦突破を許さず、読みの鋭さから前向きにボールを奪う場面も多い。さらにポジショニングにも優れ、最終ラインの統率や背後のスペース管理を安定的にこなします。守備の堅実さと同時に、攻撃への切り替え局面でスムーズに関与できる点が現代的な特徴といえるでしょう。
また、ビルドアップ局面では中へ絞って起点となり、終盤では幅を取ってクロスやカットバックを供給するなど、両義的にチームに関与できるのも強みです。データ分析でも「クロス」「キーパス」「ボール保持」が顕著な強みとして示されており、攻守の切り替えにおいて軸となれる選手です。
本職は右SBですが、右WB、RW、さらには3バックの右CBにも対応できる柔軟性を備えています。 ブンデスリーガはトランジションの速さが際立つリーグですが、菅原の判断スピードと推進力は適応しやすい資質です。相手のプレスを逆手に取り「内側で受けてリターンし、外へ再加速する」パターンは再現性が高く、移籍後も武器になるでしょう。
昨年度(23/24プレミアリーグ)のスタッツはこちら↓
出場記録
項目 | 数値 |
---|---|
出場試合数 | 30 |
先発出場 | 16 |
1試合平均出場時間 | 52分 |
総出場時間 | 1564分 |
チーム・オブ・ザ・ウィーク選出 | 0 |
攻撃
項目 | 数値 |
---|---|
ゴール | 1 |
期待ゴール (xG) | 0.49 |
シュート/試合 | 0.5 |
枠内シュート/試合 | 0.2 |
ビッグチャンス逸失 | 0 |
パス
項目 | 数値 |
---|---|
アシスト | 1 |
期待アシスト (xA) | 2.46 |
ボールタッチ | 36.6 |
ビッグチャンス創出 | 7 |
キーパス/試合 | 0.6 |
正確なパス数 | 20.4 (成功率85%) |
パス
項目 | 数値 |
---|---|
クリーンシート | 0 |
インターセプト/試合 | 0.4 |
タックル/試合 | 1.0 |
高い位置でのボール奪取/試合 | 0.1 |
ボール回収/試合 | 1.5 |
失点に直結するミス | 2 |
シュートに直結するミス | 1 |
PK献上 | 2 |
一試合平均
項目 | 数値 |
---|---|
ドリブル成功 | 0.3 (成功率47%) |
デュエル勝利数 | 1.8 (53%) |
地上戦勝率 | 1.7 (56%) |
空中戦勝率 | 0.2 (36%) |
ボールロスト | 7.1 |
ファウル数 | 0.5 |
被ファウル数 | 0.3 |
オフサイド | 0.1 |
カード
項目 | 数値 |
---|---|
イエローカード | 4 |
退場(イエロー2枚) | 0 |
レッドカード | 0 |
(引用:https://www.sofascore.com/)
まとめ
菅原由勢がついにブレーメンのユニフォームに袖を通しました!
名古屋から始まり、オランダ、プレミアを経て辿り着いた新たな挑戦の舞台。彼の縦への推進力と正確なクロスは、間違いなくブンデスの舞台を沸かせてくれるでしょう。ピッチを駆け抜ける姿を想像するだけで胸が高鳴ります。
代表でもクラブでも、日本を背負う男のさらなる飛躍を、一緒に信じて応援していきましょう!