ジャン・ウズン徹底分析ーートルコ黄金世代にまたも現れた新星

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トルコ2005世代…欧州フットボールではこの言葉が定着するでしょう。現在でもレアル・マドリードに所属しているアルダ・ギュレルや、ユヴェントス所属のケナン・イルディズなど現時点でスター選手と呼べる選手が存在しているのですが、この世代の選手でもう1人、スターが現れようとしています。

欧州フットボールのスター選手に早くから目をつけているサッカー解説者の林陵平さんのツイートにもある通りこの選手の話題がこれから増えていくことは容易に予想されます。

まだこの選手を知る人は多くないと思われます。今の段階から彼の存在を知っておくことは欧州フットボールを楽しむ上で大いに役立つことでしょう。

ということで今回はトルコの新星、ジャン・ウズンについて紹介していきます!!!

キャリアーー欧州を揺るがす新星の足跡

クラブキャリア(ドイツ〜欧州)

〜2019:地元レーゲンスブルクのSSVヤーンでプレーを始め、のちにFCインゴルシュタットへ。15歳でFCニュルンベルクのユースに加入。

2019–2023:ニュルンベルクのU17/U19で公式戦43試合47得点という圧倒的な成績を残し、早くから「怪物ストライカー」と呼ばれる存在に。

2023–2024(ニュルンベルク/2部):トップチーム昇格後、クラブ史上最年少ゴールを記録。さらにDFBポカールでは史上最年少ハットトリックを達成し、一躍全国区へ。リーグ戦30試合16得点、シーズン通算19得点とチームの得点源として躍動した。

2024年7月〜(フランクフルト):ブンデス1部のアイントラハト・フランクフルトに5年契約で移籍。加入初年度は徐々に序列を上げ、2025年8月の開幕戦ブレーメン戦で1ゴール2アシストをマーク。クラブ史上最年少で「1試合3スコアポイント」を達成し、大きなインパクトを残した。

代表キャリア(ドイツ→トルコ)

〜2023:ドイツのU17・U19・U21代表として国際舞台を経験。 2024年3月:最終的にトルコ代表を選択し、ハンガリー戦でA代表デビュー。「心の決断」と語った通り、強い想いを持ってトルコのユニフォームを選んだ。

2024年6月:EURO2024の本大会メンバー入りは逃したものの、その後も継続的に招集されており、現在は新世代アタッカーの中心として期待されている。

Point 👉 ニュルンベルク時代の記録ラッシュと、フランクフルト移籍後の開幕戦での大爆発。そして「ドイツではなくトルコを選んだ」というキャリアの分岐点。この3つが、今のウズンを語るうえで外せないポイントです!!

豆知識ーー等身大の19歳としての実情

このような華々しいキャリアを歩もうとしているウズンですが、彼にもすでに親しみやすいエピソードが数多くあります。

まずは、フランクフルト加入時のインタビューで述べていた、【子どもの頃からリオネル・メッシの動画を繰り返し見ていた】というエピソードです。本人も「今でもメッシのプレーを見る。できないことがない選手」と語っており、その憧れが自身のスタイル形成に大きく影響していることが伝わります。

また、同インタビューで自らを「ゴールだけの選手ではない。もっと多くのことができる」と定義しており、自信家でありながら現実的な一面も持ち合わせているのが特徴です。これはプレー選択の幅広さや、試合の流れを読む知性にも表れていると言えるでしょう。

ニュルンベルク時代にはメンタルトレーナーをつけ、両親も精神面を強力にサポートしていたことが知られています。若くして大きな注目を集める選手が、自らのパフォーマンスとメンタルを結びつけたことはこれから活躍していく選手にも影響を与えていくことでしょう。

当時17歳であったウズンは、アウェイ戦の帰りに時間が合わない際、同僚ネネ・ブラウンの自宅に泊まることがあり、まるで“簡易シェアハウス”のように過ごすこともあるそうです。二人は寿司を注文して一緒に食べたり、サッカー観戦やゲーム「EA FC」で盛り上がったりするのが定番。とはいえリラックスするだけではなく、試合後にはお互いのプレーを振り返って真剣に意見を交わし合うなど、ピッチ外でも成長につながる時間を大切にしています。

現在堂安選手と同僚のウズン、堂安選手には是非本物の「寿司」を彼に教えてあげて欲しいですね!

こうした豆知識を知ると、Uzunが単なる才能ある若手ではなく、努力と仲間、家族に支えられた等身大の19歳であることが見えてきますね!👀

プレースタイルーーミドルとライン間で輝く新世代アタッカー

1) 左ハーフスペースが“ホーム”

ウズンが最も輝くのは、左寄りの10番ポジション。ここで半身を作って前を向くと、一気にプレーの幅が広がります。背後への抜け、ニアゾーンの侵入、逆サイドへの展開と、同時に3つの選択肢を見せられるのが特徴。相手CBとSBの間に細かな“縦ズレ”を生み出すのが実に巧みです。

2) シャドーストライカー的役割

彼は中盤まで下がって組み立てるタイプではなく、ライン間で待ち構えてから一気に加速するタイプ。いわゆる“シャドーストライカー”の典型です。味方CFの背後でワンタッチの落としや折り返しを絡めつつ、すぐに再侵入する動きで相手の視界から消え、決定機に顔を出す。ニュルンベルク時代から続くこのパターンは、フランクフルトでも健在です。

前節で見せた堂安のラストパスからのウズンの絶妙な抜け出しからのゴールはこちら↓(4:55〜)

3) フィニッシュの間合い

ウズンの最大の武器は、ミドルレンジでの決定力。運んでから撃つ切り替えが速いことが大きな強みです。さらにPA内では、ファーストタッチでわずかに置き直し、シュートコースを自ら作り出せるセンスを発揮。2列目から飛び込む形でも確実にゴールを狙える。まさに新世代のストライカーです。

今季開幕説で見せた超絶ミドルはこちら↓(開始すぐ)

4) 改善が求められる部分

守備時のデュエル強度

空中戦の競り合い

未完成である素材型の選手ではあるので、チーム戦術としては、ボールサイドでの即時奪回を周囲と分担させ、ウズンにはカウンター初速と最終局面での判断にエネルギーを集中させる設計が理想的でしょう。

まとめ

鎌田大地、長谷部誠の活躍でELを制したシーズンはもちろん、近年だけでもマルムシュ、エキティケ、コロムアニ等のスター選手の排出クラブとしても有名になりつつあるフランクフルトでトルコの新星、ジャン・ウズンはこれからどのようなキャリアを歩んでいくのか…

堂安選手との絡みも含めて今後の楽しみが多い選手ですので是非ともその活躍を応援していきましょう!!!

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